新春のごあいさつを申し上げます。
2025年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
なかなかブログをアップできておりませんが、ありがたいことに、日々、たくさんの生徒さんたちと、楽しく、濃く、学びを進めさせていただいております。
丁寧に学びの様子を見取り、フィードバックをかえすスタイルのため、お受けできる人数に限りがあり、引き続き、ほぼ満席の状況となっております。
特に、マンツーマンの個別レッスンのご要望が多いのですが、こちらも、空きが出るのを何人かお待ちいただいています。
2月以降、進学・進級に伴って、また状況が変わってくるかもしれませんので、見通しがたち次第、レッスンの時間や空き状況を更新していく予定です。
さて、今年もおすすめの本をご紹介。
前回ご紹介した「言語の本質」を書かれた今井むつみ先生の新刊です。
「言語の本質」では、人が言語を学習する仕組みを通して、学ぶとはどういうことかが解き明かされました。
今回の本では、言語の習得という高度な学習をすることができる子どもたちが、なぜ「学力が足りない」という状況に陥るのか、「学びのつまずき」について、認知科学の観点から説明されています。
目の前の子どものつまずきに即しているないようなので、「言語の本質」よりも、実感を持って読みやすいかもしれません。
「なぜ、できないのだろう?」
「なぜ、こんな間違いをするのだろう?」
「量が足りないのだろうか?」
こんな疑問への答えは、私たち大人の、学びというものへの「誤解」を認識することにあるかもしれません。
そしてそこから、子どもが本来持っている「学ぶ力」を引き出すヒントを見つけることができるでしょう。
目次(版元ドットコムより)
第Ⅰ部 算数ができない、読解ができないという現状から
第1章 小学生と中学生は算数文章題をどう解いているか
1 算数文章題につまずく小学生
2 小学生の算数文章題につまずく中学生
3「意味の不理解」が引き継がれる
第2章 大人たちの誤った認識
1 テストと学力についての誤認識
2 知識についての誤認識
3 スキーマなしでは学習できない
第3章 学びの躓きの原因を診断するためのテスト
1 「たつじんテスト」の開発まで
2 「たつじんテスト」は思考力を測る
3 点数をつけるよりも大事なこと
第Ⅱ部 学力困難の原因を解明する
第4章 数につまずく
1 「数」はモノを数えるためにあるわけではない
2 分数というエイリアン
3 かけ算・割り算の意味がわからない
第5章 読解につまずく
1 「読める」とはどういうことか
2 問題文を理解するための語彙が足りない
3 単位、時間、空間のことばを理解できない
4 行間を埋めるための推論ができない
第6章 思考につまずく
1 認知処理の負荷に押しつぶされる
2 状況に応じた視点の変更ができない
3 パーツの統合ができない
4 モニタリングと修正ができない
第Ⅲ部 学ぶ力と意欲の回復への道筋
第7章 学校で育てなければならない力――記号接地と学ぶ意欲
1 生成AIと記号接地
2 子どもはどのように記号接地しているのだろうか?
3 アブダクション推論とブートストラッピング
4 自走できる学び手へ
第8章 記号接地を助けるプレイフル・ラーニング
1 プレイフル・ラーニングの考え方
2 時間概念の記号接地――プレイフル・ラーニングの実践1
3 分数概念の記号接地――プレイフル・ラーニングの実践2
4 知識を身体化できるのは学び手のみ
終章 生成AIの時代の子どもの学びと教育
リンク(出版社のWebページ)より、試し読みもできます。
ルードでは、本で取り上げられている「意味を考えること」や「知識の身体化」といった認知科学的アプローチで学びのサポートを行い、生きた知識、使える知識の獲得を大事にしています。
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